Baker link. Devによる外部マイコン書き込み

Baker link. Devは、外部マイコン書き込みをサポートしており、SWDデバックに対応している他のARM系CPUにRustのプログラムを書き込み可能です。

本節では、Baker link.Devを利用してRaspberry Pi PicoにRustプログラムを書き込む例に、外部マイコンへの書き込み方法を説明します。

開発環境

Baker link. Devで利用してきたBaker link. Envをそのまま利用することが可能です。 Baker link. Envを含めた環境構築については、環境構築を参照ください。

外部マイコンへの書き込み手順(Rasberry Pi Pico)

  1. Baker link. Envを起動し、プロジェクト名、createクリック、プロジェクト保存先を選択すると、数秒後にVisual Studio Codeが開きます。

  1. Visual Studio Codeの左下に表示される「コンテナ―で再度開く」をクリックしてください。すると、Dockerイメージのダウンロード&ビルド処理が開始されます。この処理が数分程度かかりますので、しばらくお待ちください。

  1. src/main.rsを開き、以下のプログラムに書き換えてください。

このプログラムは、Raspberry Pi PicoのUSB付近のLED(GPIO25)をON/OFFするプログラムです。

#![no_std]
#![no_main]

use defmt::*;
use defmt_rtt as _;
use panic_probe as _;
use rp2040_hal as hal;

use hal::pac;

use embedded_hal::delay::DelayNs;
use embedded_hal::digital::OutputPin;

#[link_section = ".boot2"]
#[used]
pub static BOOT2: [u8; 256] = rp2040_boot2::BOOT_LOADER_GENERIC_03H;

const XTAL_FREQ_HZ: u32 = 12_000_000u32;

#[rp2040_hal::entry]
fn main() -> ! {
    info!("Program start!");
    let mut pac = pac::Peripherals::take().unwrap();

    let mut watchdog = hal::Watchdog::new(pac.WATCHDOG);

    let clocks = hal::clocks::init_clocks_and_plls(
        XTAL_FREQ_HZ,
        pac.XOSC,
        pac.CLOCKS,
        pac.PLL_SYS,
        pac.PLL_USB,
        &mut pac.RESETS,
        &mut watchdog,
    )
    .ok()
    .unwrap();

    let mut timer = rp2040_hal::Timer::new(pac.TIMER, &mut pac.RESETS, &clocks);

    let sio = hal::Sio::new(pac.SIO);

    let pins = hal::gpio::Pins::new(
        pac.IO_BANK0,
        pac.PADS_BANK0,
        sio.gpio_bank0,
        &mut pac.RESETS,
    );

    let mut led = pins.gpio25.into_push_pull_output();

    loop {
        info!("LED on");
        led.set_high().unwrap();
        timer.delay_ms(2000);

        info!("LED off");
        led.set_low().unwrap();
        timer.delay_ms(2000);
    }
}
  1. Baker link. EnvのRunをクリックしてください。するとバックグラウンドで、probe-rsのDAP Serverが起動します。

  1. Baker link. DevとRasberry Pi PicoをJST-SH型3ピンコネクタケーブルで接続してください。

Warning

販売しているBaker link. Dev Rev.1のSWDのピン配置は、販売時期によって以下のようにSWDのCLKとDIOの配置が逆転しています。これはストレートケーブルからクロスケーブル対応にBaker link. Devのファームウェアが変更されたためです。正常に通信がされない場合は、CLKとDIOの接続を逆にして接続することをお勧めいたします。

また配線で解決できない場合は、CLKとDIOが逆のバージョンのファームウェアをインストールすることも可能です。

  1. Raspberry Pi Picoに電源を供給するために、Raspberry Pi PicoとPCをUSBケーブルで接続します。

  1. 次のBaker link. Devを外部マイコン書き込みモードで接続するために、真ん中のボタンを押しながら、Baker link. DevとPCをUSBケーブルで接続してください。

外部マイコン書き込みモードで接続されると緑のLEDが点灯します。

  1. Visual Studio CodeでF5キーを押してください。すると、以下のようなアイコンが表示されます。

  1. もう一度、F5キーを押すと、プログラムが動作します。

info!(...)のログが下の画面に表示されます。

LEDも点灯されます。

この方法は、SWDデバックに対応している他のARM系CPUでも対応可能なので是非別のCPUでも試してみてください!